長い人生で「交渉」は何度もします

交渉術というと、何となく、強引で一方的な感じがしますか?だから多くの女性は、交渉に苦手意識があるのですね。

でも交渉は、エアコンの修理を依頼する交渉から、企業間の契約交渉まで様々です。私たちは、必ずどこかで交渉しています。

交渉術というと、どんな心理的な操作をするのだろうか?どんなずるい手口を使うのだろうか?と思う人もいます。確かに、そのような方法で人を操ろうとする人もいます。あえて身につけて活用する人もいれば、悪気がないのに無意識で使ってしまう人もいます。

そういうテクニックを使う人がいるとしたら、自分を守るためにそれを勉強しておくのも方法です。知っておくだけで、相手の意図が分かり、自分を守ることができます。

しかし、「愛され交渉術」の一番の目的は、テクニックでその場をしのぐことではなく、良好な人間関係を作り、お互いに満足できる結果に導くことです。ここでは、愛され交渉術の本質を、5つのキーワードから解説していきます。

「愛情」がない人は説得力がない

「この人の頼み事なら何でもOK」とか、「あの人から何を頼まれても断る」というような気持ちを持ったことはないですか?これは、頼んでいる人が好きか嫌いかという単純な判断ではありません。

ここでもっと重要なのは、頼んでいる本人が相手に対して愛情があるかどうか。相手に愛情がない人が頼むと、無理なことを平気で頼んだり、忙しい時に強引に頼んだり、頼み方も乱暴になったり。

誰かを動かしたいなら、まず、その人に愛情を持つこと。それによって、その人に無理のない範囲で、忙しくないタイミングで、気持ちや都合に配慮した言葉遣いで頼む努力ができます。

この「愛情」は、協力し合う人間関係の前提条件です。愛され交渉術では、相手への愛情が全てのコミュニケーションの土台になると考えます。

「信頼関係」がないと、約束も無駄

お互いに「嘘つきだ」と思っている相手と交渉しますか?その場で「いいよ」と言われても、約束を守らない相手だったら、交渉した意味がないですよね。お互いに何かを求めあったり、知っておいて欲しい、理解して欲しい、と相手を頼るわけですから、交渉の前に信頼関係があることが大前提です。

交渉するなら、長いお付き合いが当然有利です。たとえ山あり谷ありの関係だったとしても、良いことを思い出して、信頼関係があることをお互いに確認してから交渉すれば、よい結果が期待できます。

初対面だとしても、その人が信用できるかどうかの確認は欠かせません。知り合いの紹介、ウェブ情報のチェック。相手の身だしなみや顔の表情なども貴重な情報です。そして何より自分に対する態度や接し方で、信頼をおける人なのかどうか判断します。

よく話題になる「雑談」も信頼関係には欠かせません。会うなり、挨拶もおろか、いきなり要求を突き付ける人は、既に信頼関係があったとしても、それを一気に崩してしまう恐れさえあります。雑談で緊張感を解し、そこに信頼関係があることを確認し合ってから、要件に入ることでベストな結果が得られます。

「言葉」を選ぶときは「安心・安全」を重視

「そんな言い方をされると…」と、嫌気がさしたり、まともに聞くことができなくなることはないですか?相手の言葉の選び方一つで、やる気満々になったり、やる気を失ったりします。

私たちは、感情的な生き物です。仕事上の行動や意思決定であっても、意外と感情に突き動かされているのです。

相手に何かを明確に伝えなければいけない時、私たちは「言葉」を使います。でも「言葉」は数学のように正解があるわけではなく、どちらかというと、アートのように、その解釈が人によって微妙に変わってきます。

なので、言葉の選び方には、誤解を招かないように「安心・安全」のクッションが必要です。相手が疑問や違和感を抱いてしまうと、相手の心がブレーキをかけますので、その人のための「安心・安全」な言葉選びがコミュニケーションの命と言っても過言ではありません。

「相手」を知ることで伝え方が分かる

私たちは、言いたいことを考える時、自分を見つめています。自分が何を言いたいか?何をどう表現したいか?そんなことを考えます。

しかし、伝えたところで、その言葉の効果を決めるのは相手です。世の中には、色々な人がいますから、同じ言葉でも相手によって受け取り方が千差万別です。

ビジネス交渉だけでなく、込み入った話、プライベートなことや、デリケートな話題など、難易度の高いコミュニケ―ションの場合は、その「相手」をしっかり見つめながら話す必要があります。

初対面や親しくない相手なら、事前の情報収集も欠かせません。どんな生活背景なのか、普段どんな人たちと、どんな話をしている人なのか?その人の価値観、環境、その日の状態や気分、全てがその人との円満なコミュニケーションをとるための重要なヒントになります。

事前の準備、そして相手の様子をしっかり観察しながら話を進めること。愛され交渉術は「相手」の知り方、扱い方に重点をおく、コミュニケーション手法です。

「気持ち」に支配される人間の行動

交渉となると、言いたいことを論理的に伝えなければと思いますよね。もちろん、論理的でなければ、理解も同意も得られません。しかし、論理だけでは人は動きません。

頑固な上司に、力作の提案をして、却下されたことはありますか?論理的で、どこから見ても問題がない提案でも、気に入ってもらえないと通りません。「気に入ってもらう」ってどういうことでしょうか?これは理屈ではなく、気持ちです。

素敵な商品がお得な価格だとしても、営業マンの感じが悪かったら、多分買いませんよね。「またどこかで代わりのものが見つかる」と諦めたりします。

感情は論理に勝る。プライベートではもちろん、ビジネスでも同じです。気持ちを無視してでは、よい交渉はできません。愛され交渉術は、この「気持ち」の世界を上手にナビゲートしてくれます。

人が喜んで動いてくれる「愛され交渉術」

押しが弱くて聞いてもらえない人、お人好しで譲ってしまう人、人を動かせるけど嫌われがちな人、大丈夫と思っていたら急に反発を食らう人、不満があるのに言えない人、不満を言って嫌われてしまう人、しょっちゅう怒られる人。コミュニケーションと人間関係は密接に繋がっています。コミュニケーションの取り方一つで、信頼関係が深まったり、壊れたりします。

人間関係をより良くしたいなら、相手思いのコミュニケーションの取り方がお勧めです。愛され交渉術は、相手を知り、愛情を持って言葉を選ぶ手法です。何かを伝える度に関係が良くなります!意見が合わない時こそ、チャンス!伝え合う度に信頼関係が深まる。そんな愛され交渉術を身につけない手はないですね。

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