あるとき、スーパーの駐車場で。。。

買い物を終わらせたばかりの一家が
車に乗り込んでいました。

10歳ぐらいの男の子が
お父さんの指示で買い物カートを
戻しに行っていました。

他の家族は、車に乗り込み、
お父さんだけ運転席のドアに手をかけて
息子さんを待っています。

しかし!

その坊やがなかなか戻って来ようとしません!

もうカートは戻したものの、
お父さんが待つ車に向かって、

一歩、、、
二歩、、、
三歩、、、

わざとゆっくり歩いています。
お父さんは、イライラしてきています。

「おい、速く来い!」
「急げ!」
「走れ!」

と声がだんだん大きくなります。
でも、男の子は、急ぐどころか、
お父さんが叫ぶたびに、足を止めます。

わざと足を止めて、足踏みをしてみせます。
後ずさりしそうな素振りまでします。

そのうち、お父さんは

「すぐ来ないとおいていくぞ!」
「本当においていくぞ!」
「よし、おいていこう!」

と、何度も「おいていく」という威嚇を繰り返します。
でも、男の子は、ますますゆっくり歩きます。
「おいてくぞ!」がお父さんが使える
最強の威嚇なんですよね。
これ以上の手が無いという思いで、お父さんは、

「おいていくぞ!おいていくぞ!」

を永遠と繰り返します。

私は、思わずニマニマしながら、
その光景を眺めていましたが、
だんだん気の毒になってしまいました。
「その威嚇は効きませんよ。
逆に息子さんは、
お父さんのことを信用できなくなりますよ!」
とは、もちろん言いませんでしたが

そんなことが頭を過りました(^^;)。
私の想像ですが、
「カートを戻してこい!」と命令されて、
息子さんの心の中で反発が起こったのでしょう。

そして、そのうえ「速く!」と急かされて
ますますご機嫌ななめになったのでしょう!

終いには「おいていくぞ!」
という信憑性のない威嚇をされて
反抗したい気持ちが勝手しまったのですね!
「僕をおいて行くわけないじゃん!」
「お父さんの嘘つき!」
「おいて行けるものならやってみろ!」

と、こう思わせてしまったのに違いありません。
「威嚇テクニック」の使い方を復習しましょう。
1.実行可能で、本当にやる気があることに限りる!
(つまり、おいていくつもりがないなら、
それを言ってはいけないのです)

2.直接的にではなく、遠まわしに。
(やはり「おいていくぞ!」と言ってはいけない。
「おいて行きたくないから急いでくれ」と
言うほうが効果的なわけです)

3.優しく、愛情をもって伝えること。
(つまり、きつい口調はNG!)
私だったら、のんびりしている男の子に

「ありがとう~!頼りになるね~!
素早く車に乗ってくれるともっと嬉しいよ!」

と言ってみます。
で、もし本当にイライラして、つい、
「おいていくよ!」と威嚇してしまったなら、
車に乗り込んで、エンジンをかけ、
少し車を移動させてみせます。

そこで、その子が少し焦って、
ちょっとでも足を速めてくれれば、一件落着。

その時も決して叱らず、
「よし、来た!ごくろうさん!」と、
遅かったことではなく、
ちゃんと言うことを聞いたことに
注目したいですね(^^)

威嚇が効果的に人を説得するためには
本気で言うこと、そして善意で言うこと。

愛情が足りなかったり、
ウソをついていると、
信じてもらえないだけでなく、
今後の信頼関係にもヒビが入ってしまいます。

皆さんも、特に家族に対して
「威嚇」するときは、十分ご注意くださいね♪

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